全くもって青い奴ら サニーデイ・サービス


評価:
曽我部恵一,田中貴,自由参加隊,丸山晴茂,菊地,高野,斉藤,四家,新井
ミディ
コメント:傑作「Sunny Day Service」を晩秋とするならば、盛夏かな?

 

評価:
曽我部恵一
ミディ
コメント:この湿り具合は貴重だ。晩秋に降る小雨の様。

 

ここ数日、レメディーの効果か(笑)10代の時に常に感じていた、己の無力感、焦燥感が出て来ている。もちろん、あの頃みたいにそれにどっぷり持っていかれる事はないけど。

そういうわけで、サニーデイ・サービス。
 
4th「Sunny Day Service」を初めて聴いたのは、もう5年くらい前か。
出張で上京したとき、池袋駅のそばの中古屋で衝動買い。
といってもMarquee vol.4での特集で興味を持っていたのだ。
(当時、唯一のプログレ雑誌だったMarqueeが路線変更とあっていったいどこに行くのか、と思って読んでいたけど、本質はそんなに変わった気はしなかったなあ。むしろ、その記事レイアウトなんかめちゃくちゃ好き勝手やっていて、面白かった。読みにくいけど(笑)
(同じ号での記事がある嶺川 貴子も聴いてみたい)
 
さてどういうものかと、古びた格安のホテルの部屋で、iBookで聴いた。
昔はそこそこいい値段だったのだろう、やけにアメリカンなタイルばりのユニットバスとだだっ広い部屋のホテルは、1曲目「baby blue」が始まると、しとしと雨の降るイギリスの老舗ホテルに変わった。
 
「Pink Moon」「星を見たかい?」「旅の手帖」「byebye blackbird」など、好きな曲をあげればきりがない。
オフコースの暗さとはまた違う、湿り気、とでも言おうか。
 
そしてそんな傑作のあとに出された「24時」。
前作を晩秋のイメージとするならば、こちらは盛夏。
その象徴が1曲目「さよなら!街の恋人たち」。
 
ライナーにあるように、かなりの産みの苦しみがあったようだ。
しかし、曽我部恵一の詩の世界は健在。
“でぶでよろよろの太陽”のフレーズは、まあ分かる人には分かる、ってやつで。
(ピンク・フロイド、ね。「Atom Heart Mother」邦題「原子心母」の中の1曲。この頃の邦題のセンスは、色んな意味で、キテた。)
前作では封印された(?)ロック魂全開が、バンドの焦燥感を表している。
今、こちらが僕には来るなあ。
 
8曲目「経験」の“青さ”こそ、 このバンドの真骨頂だろう。
恥ずかしいくらいの青さ。
いいな。
 
そして「24時のブルース」。
“貨物列車のブルース”のフレーズに、曽我部恵一の才能を見る。
新幹線でもなく、寝台特急でも鈍行列車でもなく、もちろんJALでもない。
今住んでいる町に住み始めてからは列車を見る事もなくなったけれど、かつては踏切の音が聞こえる町で育った。
あの頃は、いったい何両続くのだろうという貨物列車に何か自分の逃避願望を乗せていたように思う。
何かをしなきゃいけないのに、それが出来ないでいる自分。早く育った町を出て、大人になりたかった自分。
ダイヤにはけっして載らない、どこにいつ着くのか分からない列車。
 
全くもって青い奴らだ。

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