最近読んだビジネス書3冊

国家の品格

国家の品格

藤原 正彦

先日、とある国会議員の方から推薦された二冊のうちの一冊です。

アマゾンのレビューでは賛否両論あるようですが、僕は面白く読みました。


もちろん、細かいところの揚げ足を取ればきりがないでしょう。

しかし、そんなことに目くじらを立てるよりも、藤原さんの「素朴な疑問」から藤原さんなりの回答に目を向けることの方が建設的でしょう。

本書にもありますが、例えば英語教育。

いつだったか、報道番組でとある地方自治体が構造改革特区として小学校からの一貫した英語教育に取り組んでおり、横浜在住のあるご一家がお子さんたちをその教育システムに入れるべく奮闘する姿が取材されていました。

そのご家庭は、自宅を新築されたにもかかわらず、ご主人を自宅に残し、奥様とお子さんたちがその地方自治体に移り住む、いわば「単身在住」と言うべきライフスタイルを選択されていました。

その番組では、その学校では通常の会話は英語で行われる、と紹介されており、親御さんはこれからの国際社会で生き抜くには英語が出来なければだめだという信念で、ご努力されていました。

しかし、僕はどうしても、何か腑に落ちない違和感を感じずには居られませんでした。

国際社会に出たいと思うならば、まずは国語としての日本語を十二分に理解しなければならないのではないか?

小学校から英語教育に取り組めば、結局日本語も英語も中途半端になってしまうのではないか?

日本語の喋れない日本人が、本当に国際社会で相手にされるのでしょうか?

藤原さんも、どうやら同じ考えのようです。

それだけでなく、近代合理主義に疑問を投げかけ、私たちに「日本的な武士道精神」を見直すきっかけを与えてくれます。

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる

関岡 英之

もう一冊がこれです。

なぜこの本に書かれている内容が、マスコミで取り上げられないのか?

まずはそこに疑問を持ち、何か背筋が凍るようなを感じを受けます。(この点NHKは、さすがにいろんな批判があれど、報道番組に関しては民放とは違うな、と思います)

そして、なぜに日本は「NO」と言えないのか。

この点は、この本でも分かりませんでした。

そして今、水面下で改憲に向けて着々と進みつつありますが、日本の憲法第9条こそ、アメリカがこの世から抹殺したいものなのではないでしょうか。

なぜなら、この憲法は連合軍、GHQの指導の下に作られたものであり、アメリカのパワーポリティクスに対抗しうる、おそらくは唯一のワイルドカードだからです。

我々は、そのことをもっとはっきりと自覚する必要があるように思います。

「ゼロ成長」幸福論

「ゼロ成長」幸福論

堀切 和雅

最近脱サラ(?)した友人のお薦めの本。

経済至上主義に犯された現代人。「勝ち組」か「負け組」か。

「負け組」こそ多数派である現実を目の前にして、途方に暮れてしまった私たちに、価値観の転換を促してくれます。

著者の身の回りの人たちのインタビューを中心に、分かりやすく書かれており、とても親しみやすいです。

誤解してはいけないのは、決して著者は負け組を推奨しているわけではない、ということです。

名言を一つ。

「あなたが楽しく生きること、それが競争主義への復讐なのだ」

「最近読んだビジネス書3冊」への6件のフィードバック

  1. 英語教育ですかぁ~。
    んん、英語ばかりにとらわれて日本語がしっかりしていないと、やはり考える力が怠ると思います。日本にいたらほとんどは、日本語をツールにして物事を学びますからね。
    面白そうな本ですね^^

  2. >しーやんさん
    英語が世界で共通に使われるのは、英米の国語であるという理由だけでなく、それが比較的簡単だから、ということもあると思います。日本語はやはり、難しい言語と言えるでしょう。だからなおさら、国語の教育に時間をかける必要があると思います。
    また、英語を話せれば国際人と考えるのは、やはり少々短絡的じゃないかなと思います。
    (余談ですが、タイやネパール、韓国を旅行した時、遠い親戚とも言えるモンゴロイド同士で英語を話すことに、ずっと違和感を持っていました)
    言語は、あくまでコミュニケーションのツールでしかありません。しっかりとした自己を確立することこそ、厳しい社会で生き抜くために必要なのではないでしょうか。そのためには、自分は日本人だと自覚するならば、日本語を理解するということは必須だと思います。
    それはたとえ競争社会に背を向けることになったとしても、何らかの形では社会と関わって生きて行かなければならないわけですから、その時こそ、自分自身に役立つことと思います。

  3. おぉー!すごい3冊のレビュー!
    読みたくなりますねー!
    やっぱ民族の誇りをもたないと
    国際社会のなかでも相手にされない気が
    します。海外の人に言わせると日本人はなんて自分の国のことをしらないのかとびっくりするっていいますしね。
    新渡戸稲造の「武士道」もいいみたいですよ!

  4. お久です。
    そうです、英語というか、外国語は
    日本語がしっかりしていないと結局ちゃんとしゃべったり書いたりできないんですよ。
    そこがわかってない。
    あと、関岡さんの本は、大手マスコミ
    (新聞とかテレビ)は取り上げないけど、
    政治系ブログとかでは絶賛されてますよね。
    私も読んでみたい!

  5. >chaboさん
    おお!噂の“脱サラの人”(^_-)
    藤原さん、新渡戸稲造が結構好きみたいですよー
    >りささん
    言語構造さえ理解すれば、できるよね?主語と述語の関係とか、時節とか、その辺さえ押さえておけばなんとかなる気がする、けど(^^ゞ
    へぇ、関岡さん、結構有名っちゃねえ、やっぱり。
    この本の真にすごいところは、情報源のほとんどがネットや公文書であることです。マスコミのような「ネタ元」が無くても、このくらいの本が書ける。
    もちろん、関岡さんの情報解析力もすごいのだけど。

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