「どう思いますか?格差社会」

「日本の、これから」

NHKの新番組。

ゲストに“時の人”堀江社長、作家重松清氏ら。

今回は、規制緩和や成果主義が、経済格差を産み始めている。その現状を、有識者や一般視聴者を交えて討論する番組である。


例えば、「格差社会」を「しょうがない」と考えるか、「善」とするか「悪」とするかというアンケートでは、「悪」という人が意外と少なかった。

大半の人は「しょうがない」と考えているらしい。

職業別では、自営業は「しょうがない」と答えている。これはまあ、当然だろう。自営の場合、社会がどうであろうと、既に競争社会だから。

また、フリーター(パート)と正社員の格差については、かなりの不満があるらしい。

これもまた、そうだろう。堀江さんは「バイトを雇うというのは、賃金を抑えようとする会社側の論理であって、同等に扱うべきだ」と言っていたように思う。

まあちょっと細かい内容をチェックし損ねたのだが、この番組は要チェック。

堀江さんは、いわゆる「勝ち組」と言えるのだろうが、一連のフジテレビとのやり取りを見聞きしていて、既存の古い形骸を壊してくれるような期待感と、同時になにか「やばい」感覚を感じていた。

今回この番組で、何が「やばい」のか、少し分かったような気がする。

以前僕が旅行したインドという国は、完全なる「格差社会」である。カースト制のためだ。

しかし、生まれ持った身分によって天と地ほどの(大げさでなく)差があるにかかわらず、社会にぎすぎすしたものは、さほど感じられない。それは、カーストの上の人たちが、カーストが下の人たちを見下したり、ないがしろにしたりすることが少ないためだ、と僕は感じた。

もちろん、一旅行者が、インド社会の本当の姿を見れたとは思っていないが、実際、多大な施しをしたり、いろいろな社会的な手助けをする人も少なくないと聞いた。

現在、日本やアメリカの経済至上主義社会の勝ち組の人たちに、特に新興産業であるIT関連企業には、他者に対する気遣いや思いやりが少ない、と感じるのは僕だけだろうか。

法律で規制されていなければ、どんな手段を使っても良いのだろうか。自分の力でお金や地位を獲得している、してきたわけだから、それが出来ない人たちは努力も能力も足りないわけで、就職出来ず、賃金も少ないのは当然、なのだろうか。

「構造改革」がもたらすものは、一体、なんなのか。「構造改革」に期待していたものは、なんだったのか。

今一度、考え直すきっかけになったと思う。改革には痛みが伴うだろうが、最小限にするため、努力は必要だろう。

このような議論の場を作ったNHKはさすが。

「「どう思いますか?格差社会」」への5件のフィードバック

  1. 私もこの番組見てました。オモシロかったのと同時に少しカナシクも思いました。経済至上主義を仕方ない、お金が無いのは仕方ないということがあまりにも当たり前になっていること。それが今の日本を生きる一番の根底というか暗黙の了解というか。あまりにもそれが常識となっているから気がつかないけど。経済システムそのものが一部の人だけが得をしてその他大勢の人は損をするシステムだとしたら…。
    私も堀江さんは、既存の古い概念や体質を壊す存在で、好意的にみていますが、この番組においては、ともこーさんのいう「やばさ」を確かに感じました。お金がないのは、努力も能力も足りないという考え方には同意しません。
    インドのように(行ったことないけど)のんびりと温かな社会である上で全ての人が豊かで、お金や時間に追われずに生きる社会。そういう場所を創造することは可能じゃないのかな。
    たくさん考えが溢れてきてしまいました。
    ほんと、NHKのこういう番組素晴らしい☆

  2. インドは温かいを通り越して、熱かったです。日中は40℃を超えます。涼しくてやっと眠れるよ、という朝の4時で35℃です。全身ドライヤー、です。
    という話はさておき(^^ゞ
    理想の社会システム、難しいですね。
    資本主義を超えるシステムであったはずの社会/共産主義。しかし、人間の欲望までもはコントロール出来ずに、自然消滅してしまいました。あ、まだ残っているか。
    資本主義は、欲望は最大限解放することで、拡大再生産を繰り返すことが出来ます。しかし、永遠の経済成長など、あるはずがありません。その結果、お金はお金のあるところに集まることになります。
    さて、これからの日本は、いや大多数の「庶民」日本人はどうすればいいのでしょう。どのような価値観を持って、生活して行く必要があるのでしょうか。
    少なくとも、今以上に身の回りにまつわる事柄(政治、経済、自然環境、教育、法律、思想等々)に対して、自己責任で対峙して行く覚悟が必要でしょう。
    その辺りの意識が、なんだか足りない気がするのは僕だけでしょうか。
    既存の日本のシステムは、そこらへんを曖昧にしてもなんとかやって来れた。しかし、これからはそうはいかないぞ、と。ブラックボックス的なシステムを排除する代わりに、個人の責任も増える、ということでしょう。
    そういう意味では堀江さんの考えは至極真っ当なわけですが、じゃあ、理想の社会はどうなのか、と考えた時、やはり肝心なのは「思いやり」とか「優しさ」とかいうキーワードなのかな、という気がします。

  3. 個々における責任という意識は、今まですごく低かったですよね。自分達で社会を変えることや作ることができるといぅことをすっかり忘れちゃっていたみたぃです。堀江さんは、そういうことを私達にも思い出させてくれたし、ピシッと目を覚まさせられたような気がします。
    アメリカのように個人主義が行き過ぎた結果、人々の心に恐怖や安心の無さをもつような例もあるので、アジア社会の全体主義的なよさを取り入れつつも、一人一人が「責任」をもって、自分にも力があるということを知って、みなが考えるより素敵で暮らしやすい美しい社会をつくりあげてゆけたらいぃのになぁ☆と考えました。
    「思いやり」とか「優しさ」
    それが一番。生きるヨロコビなんだと思う。

  4. ところで、今一番行きたい国の一つに、ベトナムがあります。大国の身勝手な思惑に振り回された過去を乗り越え、アジア的「全体主義」によって再興しています。ラオスも然り。
    食べ物もおいしそうだし、アオザイもセクシー(笑)
    「ホリえもん」騒動も一段落しましたね。
    少々話はズレますが、正直なところ「一体なんだったんだ?!?」
    堀江さん自身に、自分の願望(世の中がこうなってほしいとか)を重ねると「ええ?」となってしまいます。あくまで自分と、自分の会社のために動いただけであって、今回のことで「いい前例が出来た」というのは自分で言うことではないですよね。
    社会の潤滑油として「優しさ」は不可欠ですが、あの騒動をみていると、あまりにも「責任」「自己」という言葉が一人歩きをしすぎている感じもします。堀江さん然り、「旧体制側」フジテレビ然り。
    そんなに難しいことではなく、自分の家族や友人に対しての「思いやり」「優しさ」を、仕事でも同じようにすればいいだけなんですけどね。そんなことしてたら、稼げない、競争に負けちまう、と言わずに。

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