危機と闘う・テクノクライシス
第2回「軍事転用の戦慄(りつ) ロボット」
今、世界中でロボット技術開発の競争が激化し、その最先端で軍事利用されている、そうです。
ロボット三原則とは、アイザック・アシモフがその著書「I,Robot」で示したものです。
アイザック アシモフ, Isaac Asimov, 小田 麻紀
1.A robot may not injure a human, or allow a human to be injured.
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
2.A robot must follow any order given by a human that doesn’t conflict with the First Law.
第二条 ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一条に反する命令はこの限りではない。
3.A robot must protect itself unless that would conflict with the First or Second Laws.
第三条 ロボットは自らの存在を護(まも)らなくてはならない。ただし、それは第一条、第二条に違反しない場合に限る。
現代の戦場では、無人機や無人ヘリコプターが、地球の裏側からの指令によって活動し、敵の動きを察知し、抹殺している、それがゲームやSFの話ではなく現実に行われているそうです。
実際に、今のイラク(つい先月)で、道路に破壊工作をしかけていると思われる数人の人間に対し、アメリカ本土からの遠隔操作による“プレデター”(無人機)で(夜間であるに関わらず)ミサイル攻撃を行っている映像が流れていました。
これは戦慄する事実です。
また番組では、人工知能によって自走する車の開発の様子もあり、悪路を民生品のカメラやレーダーを使って自動運転する車も登場していました。
そういったジャンルのレースがアメリカでは実際に行われ、その主催者は国防総省だそうです。
イスラエルでは、70年代中期から既に無人機だけの部隊があり、これに対抗してレバノンのヒズボラも無人機を手に入れた、ということです。
ロボットが人を殺す、これはマトリックスやターミネーターを待つまでもなく、既にこの地球上の現実である、ということに今更ながら大変驚きました。
いったい人類は、自分たちの作り上げたテクノロジーで、何をしたいのでしょうか?
PLUTO 1 (1) 【豪華版】 ビッグコミックススペシャル
浦沢 直樹, 手塚 治虫
「ロボットによる人殺し」を題材にした名作をリメイク。現在も連載が続いている、問題作。
ビックコミック愛読者なんでPLUTO、読んでますよ~。
手塚先生のインタビューで読んだ記憶があるんですが
“僕はアトムを夢や希望を託して書いた訳ではない。ロボットの嘆きを表現したかったんだ。”
・・・・と。
>盆造(´ー`)y━・~~~さん
テクノロジーの進歩は、SF作家が予言(希望)した通りに進んでいますが、方向性が違ってきているようです。
「アトム」では、人間の愚かしい利己的な行動に振り回されるロボットの悲哀が描かれていました。
そして、マトリックスやターミネーターの世界では、そんな人間たちに復讐を始めるロボットの姿がありました。
「PLUTO」、すごいっすよねえ浦沢さん。ノース2号の下りなんか・・・
NHKスペシャル 危機と闘う・テクノクライシス 第2回「軍事転用の戦慄ロボット」
軍事ロボットがここまで進んでいたことに驚愕!
TB返信ありがとうございます。
ロボットが出てくるSF映画よりもずっと怖い事実を突きつけられました。
しばらく残りそうです・・・
>kossyさん
こちらこそ、ありがとうございました。
まさかまさかの現実に、驚きを通り越して怖くなってしまいましたね。
時々 人類は進化しているのか 退化しているのかわからなくなります。
身近なところで
pcばかりで字が書けない。
ナビがないとどこにも行けない。
確固たる方向性を未来に示すのは 誰でもない私たち一人一人大人の役目 と思う今日此の頃・・
>ひまわりさん
そうですよねえ、いざ手紙を書こうとすると、簡単な漢字が出てこなかったり。
ナビは、山で鍛えたおかげで、地図の方が僕は便利ですけどね(^^ゞ
テクノロジーは使うためのものであって、振り回されたくはないなあ、と思う今日この頃です。
しかし、あの番組が勘違いしていると思われるのは、アシモフの言うロボットが、完全自律の人工知能を持ったロボットを想定しているということを無視していると言うことです。「われはロボット」を引用するのは不適切で、間違っていて、意味がないです。
「軍事転用」を批判している内容でしたが、何をするにも手段を尽くすのは当然のことです。国と国との戦いに、上位者はいないから、その戦いの方法に制約をかけられるのは国際法のみです。現在の国際法をみると、禁止されている兵器は、だいたいにおいて、非人道的な兵器であるという理由で禁止されています。そうすると、ロボットの使用は非人道的であるか否かというと、必ずしもそういえません。先頭車両や戦闘機の操縦は必ず人がそれに搭乗してしなければならないかというと、そういう社会通念はありません。番組中で、道路に遠隔操作式爆弾を敷設していたテロリストをミサイルで攻撃したように、ロボットはむしろ、効率的で巻き添えの少ない、効率的な対テロを実現するものといえます。
とすれば、国際社会はロボットの使用を国際法で禁止しようとはしないでしょう。すなわち、国際社会はロボットの軍事利用を、戦争を容認するのと同時に容認するでしょう。
ここで重要なのは、戦争でロボットを使用することが容認されるとしても、その戦争が容認されるとは限らないと言うことです。そしてまた、容認される戦争において、ロボットの使用がロボットの使用であるというだけの理由で容認されないと言うことはないと言うことです。結局のところ、その戦争が容認されるか否かが決定的であるといえます。
>tarataraさん
初めまして。
tarataraさんのおっしゃられることは、決して間違っている訳ではありませんが、あの番組にしろ、僕にしろ、一番恐れているのは、人を簡単に殺す手段がエスカレートして行くことに際限がない、ということです。
それを、単純に怖い、と思うのです。
大事なのは、そういう気持ちを忘れないことではないでしょうか。
どの戦争が容認されるか否か、ということよりも。