アカデミー受賞作品。NHK BSで放送していたので、初めて鑑賞した。
ストーリーは、なんてことのない、日常の話、と言ってしまっては身もふたもない。
しかし、そこにこそ、この映画の素晴らしさがある。
その「なんてことない話」だからこそ、主役の二人や、名脇役たちの演技が鍵となる。
モーガン・フリーマン最高。ジェシカ・タンディ素晴らしい。ダン・エイクロイドさすが。
老いていくことは、一般的には否定的に語られるが、この映画でも決してその線から外れないのだが、観賞後、なにか、老後にも期待を持てるような、そんな気がしてくる。
肉体や、場合によっては思考が「老化」しても、心と心との触れ合いは変らない。そして、日常の何気ない事柄に喜びを見いだしていく。
お気に入りのシーンは、ホーク(フリーマン)がミス・デイジーの息子(エイクロイド。ホークの雇い主)に対して、賃金の値上げを要求する場面。普通なら、なかなか言えないし、一歩間違えば、お互いぎくしゃくしてしまう場面だが、これがホークにかかると不思議。このシーンだけで、ホークの人柄が表されている。いいなあ。
「なんてことない話」には、僕らにとってはそうではない部分もある。劇中で、時折人種差別に関するエピソードが挟まれる。20世紀の半ば頃、今よりまだまだアメリカ南部では強かっただろう。しかも、主人公の二人は、ユダヤ人と黒人だ。
しかし、それらのエピソードは、変に社会批判のために挿入されているわけではなく、主軸となる「ふれあい」をいっそう際立たせるためのものだ。
ユダヤ人も黒人も、アメリカ社会では被差別人種らしいが、その中でも、「主人」と「使用人」、あるいはやはり黒人が社会の底辺にあるという潜在意識(それはミス・デイジーも例外ではない)を、微妙に描きつつ、ホークの優しさを表現している。
また、サントラも秀逸。
決して号泣する映画じゃないけど、じわじわと感動する映画です。優しく、朗らかに生きて行きたい、と思わせてくれます。でも、子供には分からない可能性あり。
最近、こちらも見たのだが、同様の「人情話」路線ながら、「ドライビングMissデイジー」には遠く及ばない。俳優陣は申し分ないのだけど。でも、好き、とは言えるかな。
この映画中学の時の映画館紹介で見ました!懐かしい。モーガンフリーマン最高に素敵でした。生きることを積み重ねて、美しさや優しさが滲み出ているよぅな老人を見かけることがあります。人生の目標です☆老人万歳!!
そこそこ、古い映画なんですよね。でも、恥ずかしながら全然知らなかったのです(^^ゞ
モーガン・フリーマンが出てる、ということで観たのですが、大当たり、でした。
【MOVIE】ドライビングMissデイジー
●ドライビングMissデイジー[1989/米]ジェシカ・タンディ&モーガン・フリーマンの、つじもが大好き2大俳優の見事な演技を堪能の1本。【STORY】1948年、夏。長年勤めた教職を退いたデイジーは未亡人。まだまだ元気いっぱいの彼女だったが、寄る年波には勝てず