Huong Thanh
ジャケに騙されてはいけない。
これはものすごい大傑作アルバムである。
ベトナム人女性ボーカリスト、Huong Thanh。その類いまれな歌唱力に驚かせられるが、なんといってもプロデュースから、ギターを始めあらゆる面でバックアップしているNguyen Le(フランス語表記が含まれるため正確にはリンク参照)の力が大きい。正確な発音は定かではないが、グエン・レとも、ニューエン・レとも。
全編をベトナム民謡とジャズ、時にはアフリカのスパイスも織り交ぜた、摩訶不思議な音世界。
なんと、あのRichard Bona参加。
Pat Metheny Group
Bonaといえば、P.M.G.の現時点での最新作「Speaking of Now」に、メセニーに直訴して参加し、大傑作とした張本人であり、渡辺香津美「MO’BOP」に参加、2003年「東京JAZZ」公演も記憶に新しい。
渡辺香津美 New Electric Trio
ところがそのBonaの存在を全く感じさせないほど、ThanhとLeが素晴らしい。
秀逸なのがM7「Graceful Bamboo」。僕の中では、これほど完璧な曲はちょっと思いつかない。トラッドと現代。フォークロアとロック。アジアと欧州。これらが完璧に融合し、昇華されている。特に、絶妙なベースライン。
方法論としては、KENSO「2」辺りが近いと思うが、完成度は遥かにこちらが上。
もう3年近くも、ヘビーローテーションです。