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先日、ヴィム・ベンダース監督最新作「Don’t come knocking」を鑑賞してきました。
あの不朽の名作、「パリ、テキサス」のサム・シェパード脚本です。
「パリ、テキサス」では、失語症を患い、いわゆる社会不適格者となったトラヴィスが、自分の弱さを受け入れつつ、父親として、夫としての責任を果たそうとする姿が、淡々と描かれていました。
離れ離れとなった息子と母親を結びつけ、再び独りで旅立って行く姿は「弱い男」のダンディズムに溢れ、観るものを感動させました。“ロードムービーの傑作”の称号にふさわしい作品です。
さて、今回の「Don’t come knocking(邦題:アメリカ、家族のいる風景)」は、主人公はやはり、ダメ男です。しかし、今回はホントにだめ男なんです(笑)
放蕩三昧を繰り返してきたかつての銀幕のスター、ハワード(サム・シェパード)が、老境に入りかけの自分を振り返って人生を悔いる、というあらすじです。
で、この作品の主題はずばり「女の優しさ(強さ?)」でしょう。
ハワードの母親(エヴァ・マリー・セイント)。ハワードが若い頃ロケ先で孕ましてしまったカフェの女中、ドリーン(ジェシカ・ラング)。ドリーンとは別の女性との娘スカイ(サラ・ポーリー)。そして、劇中では登場しない、スカイの母親(死亡しており、火葬場からスカイに骨壺として抱かれて出てくる。その後、最後までスカイとともに旅する)。
この女性たちの、懐の深さ。
こういう話って、表現が難しいとは思うのですが、女優陣が素晴らしい。ジェシカ・ラングはさすが。田中裕子さんと張ってます(笑)
ハワードとともに、ドリーンとの息子アール(ガブリエル・マン)も、突然現れた父親に対して我を忘れてしまうドタバタぶりで、情けない男の姿を象徴しています。
加えて、映像がすばらしい。まるでロジャー・ディーンのアルバムジャケットのごとし。
撮影は前作「ランド・オブ・プレンティ」に続いて、フランツ・ラスティグFranz Lustig。
(ちなみに「ランド・オブ・プレンティ」、いまひとつ。レナード・コーエンの音楽はよかったけれど。)
なかなかの佳作でした。しかし、この邦題、どうにかならなかったのでしょうか(^^ゞ
ヴィム・ベンダースと言えば、音楽とは切っても切れない監督です。
「パリ、テキサス」のライ・クーダーを初め、「BUENA VISTA SOCIAL CLUB」のキュ-バ音楽、「リスボン物語」のマドレデウスと、かなりのこだわり派です。
今回、音楽監督を任せられたのはT・ボーン・バーネット。
実は偶然にも、先日コーエン兄弟監督作「オー・ブラザー!」を観ました。
これはお薦め!理屈抜きで、楽しめます。
童顔のTボーン・バーネットも「ギターのために悪魔に魂を売った男」として出演しています。
渋~いギターもあり(^_-)
ブルースと映画と言えば、「ミリオンダラー・ベイビー」もよかったなあ。
ベンダース、イイっすよね~。
“ベンダースはロックだ!”と叫ぶ映画フアンも多いです。
俺は“まわり道”が妙に好きで
何度も何度も見てます。
>盆造(´ー`)y━・~~~さん
おお!ここにもヴェンダースフリークが!(笑)
ロックですよ、ロック!いぇい。
「まわり道」まだ観てないので、今度観てみます(^_-)
>加えて、映像がすばらしい。まるでロジャー・ディーンのアルバムジャケットのごとし。
笑っちゃいけないんでしょうが(笑
>ブルースと映画と言えば、「ミリオンダラー・ベイビー」もよかったなあ。
この映画、よかったですよね。
DVDでもう一度みようかと思っています。
>ickwさん
>笑っちゃいけないんでしょうが(笑
え?え?
笑うとこじゃないですぅ・・・
「パリテキサス」「ミリオンダラー。ベイピー」も良かったですね。
関係ないかもですが、プロフィールに、藤原新也しの名前が出ていたので、新刊「渋谷」が出てますね。今日買いましたよ。読むのが楽しみです。
イタリア戦は見たけど、今日のフランス戦は見れないですね。寝不足です。
>Yuriさん
藤原さん、大ファンです!平田さんとも、いつも盛り上がりますよ(^_-)
フランス、勝ちましたね。
僕の予想では、イタリアの優勝です。